FM三重「ウィークエンドカフェ」2022年5月28日放送

『そうぞの森さるびの』
伊賀市上阿波、子延に伊賀大山田温泉 さるびの温泉があります。
『そうぞの森』のそうぞとは、大山田の方言で『みんな・おおぜい』という意味。
工房に人が集まり、今日も訪れる人をもてなします。
今回は、ここのふるさと工房で『こんにゃくづくり体験』を担当する中尾仁美さんがお客様。
大山田のこんにゃく芋を使っておいしいこんにゃくを作ります。

をミキサーにかけたところからお客様が体験

こんにゃくを作ることはそんなに経験しないことだと思います。
芋をミキサーにかけて、ドロドロにした状態から作ってもらいます。
お芋さんは湯がいて皮を剥いて切った状態になってからですね。
小さなお子さんから、やってもらっています。
喜んでやってくれます。
手で捏ねて、ある程度固まってきたら凝固剤を入れて、さらに練ってもらって、次は形を作ってもらいます。
小さなお芋さんを植え替え植え替えして、3〜4年でこの大きさまで成長します。
毎年植え替えをするんですよ。
5月に種芋ができてきて、それを5月に植えます。
5月29日が『こんにゃくの日』となっています。

 

え替えて3〜4年、大きく育った芋がおいしいこんにゃくになる

一年でも大きくなるお芋さんもありますが、それは中がカスカスというかあまり粘り気がなく、うちのこんにゃくを作りるのには適していません。
切った状態のときに粉が吹く感じのお芋は切りにくいのは良い芋です。
おくどさんでそのまま湯がいて、皮を剥いたものを使います。
お客さんが来るとおくどさんに感動されて、「写真撮っていい?」と言われます。
たくさん作るので置く台とかを考えると、やはりおくどさんになります。
昔ながらの雰囲気も味わえますし…という思いから設置したのだと思います。
懐かしいと言ってくれます。
生のお芋さんを湯がいて切って冷凍しておくんです。
使うときに解凍して、お客さんにその分量のお芋さんとお湯をミキサーにかけてどろどろにして、それを手で混ぜてもらってこんにゃくにしていきます。
混ぜすぎても硬過ぎになってしまうので、良い頃合いで止めることが大切です。

 

どもたちはいろいろな形にしていておもしろい

最初はお芋さんを茹でてお湯と一緒にミキサーにかけてどろどろにしたものを一緒に捏ねていってもらいますが、そのときはそんなにこんにゃくの香りはしません。
色も白いです。
凝固剤を入れてさらに練ってもらっていくと、ふっとこんにゃくの匂いがしてきて、色もちょっと茶色くなって、こんにゃくらしくなってきます。
最初は白いんですよ。
凝固剤を入れることによって色が茶色くなるし、お芋さんの状態によって白っぽいのと黒っぽいのがあります。
生芋だけなので、弾力は良いと思います。
コツは混ぜ具合。
いろいろな形ができるので、子どもさんも粘土細工と同じように楽しんで作ることができて、しかもおかずになります。
親御さんはそっと横から見て、子どもたちが一生懸命作っているのを見て、楽しんでもらっています。

 

物用とお刺身用のこんにゃくは作り方が少し違う

本当の作りたての状態のこんにゃくは、ちょっと硬いんですよ。
でも水に浸けておくと、だんだん柔らかくなってもちもちっとした感じになります。
以前はいろいろな味のこんにゃくを作っていましたが、今は普通のこんにゃくと柚子と、お刺身で食べられるのが2種類。
それから煮物用のこんにゃくがあります。
土日は煮物用のこんにゃくを『味付けこんにゃく』として販売しています。
煮物用とお刺身用では作り方もちょっと違います。
煮物用はキメを荒くして、味がよく染み込むように作ります。
凝固剤も違うので、そのあたりの食感の違いもあります。
簡単に食べられるのが良いのではないでしょうか。
ここをはじめた当初から、体験教室もやっているので、もう20年近くになりますね。
団体さんもたくさんいらして、こんにゃくを作って持って帰ってもらっています。
1回で結構な人数…20人から、40人はちょっときついかな。
何グループ化に分かれてやってもらいます。
混ぜるのは同じように一生懸命やってくれるので、凝固剤を入れに走り回るくらいですね。
子どもさんが作りたいと、遠方からも来てくれます。
帰って料理に使ってくれたり、お店で使ってくれたり、いろいろなお客さんがいます。

最初は硬いのを作ってしまったり、柔らかすぎることもありましたが、しばらくやっていくうちにだんだんとうまくできるようになってきました。
美味しかったよ、と言って買って帰ってくれるお客さんや、楽しんで作ってくれて家顔で帰っていくお客さんもいます。